みなさんは、車を運転していて「危ないっ!!」って時に、クラクションを瞬時に鳴らせますか?
普段はあまり使わないので、とっさの時に使えなかったり、鳴らせてもなんだかドキドキしますよね。
今回は、「あるのは知っているけどいつ使うのかよくわからない」クラクションについて、その正しい使い方をご紹介していきます。
01 正しく使っていますか?クラクション
車を運転する時には誰もが間違いなく握るハンドルの、その真ん中(あたり)にどっしりと存在しているにも関わらず、もしかしたら一度の運転で一回も鳴らさなかったなんてこともよくある、そんなクラクション。
使用頻度が低い理由には、使う必要がないということに加えて「いつ使えばいいのかわからない」という理由もありそうです。
01-01 ここで鳴らせ!~道路交通法第五十四条
道路交通法では、以下のように定義されています。
(警音器の使用等)
第五十四条
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車両等(自転車以外の軽車両を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない。
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一、左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき。
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二、山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき。
なかなか難しい文章ですが、要は
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・「警笛鳴らせ」の道路標識のある場所
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・「警笛鳴らせ」の道路標識のある区間
において、クラクションを鳴らさなければならない、ということです。
ちなみに、「警笛鳴らせ」の道路標識は、みなさん覚えていらっしゃるでしょうか!
【警笛鳴らせ】
【警笛鳴らせ
(区間)】
この標識のある場所では、鳴らさない方が違反になってしまいます。
街中ではあまり見かけませんが、見かけた時には躊躇せずにクラクションを鳴らしましょう!!
01-02 むやみに鳴らすな!~道路交通法第五十四条
また、道路交通法第五十四条では次のようにも定められています。
車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。
なんというか、運転者の裁量に委ねられている感じもしますが、こと運転における「危険」というものは状況によって様々ですので、そもそも定義付けをすること自体が不可能であるともいえます。
とにかく、運転者が「危険だ!」「このままでは事故になる!」というときには鳴らしても良い、ということです。
02 街中でよくあるケースは?合法?
法律での定義を踏まえて、わたしたちがよく見かける「クラクションを鳴らすシチュエーション」を考えてみましょう。
次に上げるケースで、「合法」なのは何番かわかりますか?
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①前を走るスピードの遅い車に対するクラクション
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②信号が青になったことに気づかない、信号待ちの先頭車両に対するクラクション
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③路側帯を歩いている歩行者に対するクラクション
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④トラックがすれ違うときなどの挨拶代わりのクラクション
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⑤道を譲ってもらったときのお礼としてのクラクション
実は、全て違反になります。
①は論外として、②から⑤までは比較的「よくあるよく見るケース」として捉えられてきたような印象がありますが、これらは道路交通法第五十四条に違反している行為となります。
③の歩行者に対するクラクションに限り、急な道路への飛び出しに対する注意喚起としてのクラクションは「危険を防止するためのやむを得ないとき」と判断されるようですが、運転の邪魔になるという理由でのクラクションは違反になりますのでご注意ください。
03 罰則ももちろんあります
クラクションを『鳴らしてはいけない時に鳴らした場合』また『鳴らさなければならない時に鳴らさなかった場合』それぞれに、以下の通り罰則が定められています。
反則行為 | 行政処分 | 刑事処分 | ||||
点数 | 大型車 | 普通車 | 二輪車 | 原付 | ||
警音器吹鳴義務違反 (鳴らさなかった違反) |
一点 | ¥7,000 | ¥6,000 | ¥6,000 | ¥5,000 | 5万円以下の罰金 |
警音器使用制限違反 (鳴らした違反) |
なし | ¥3,000 | 2万円以下の罰金または科料 |
04 まとめ
いかがでしたでしょうか。
ハンドルの真ん中(あたり)に存在しているにも関わらず、使用頻度の低いクラクションについて、少し身近に感じていただけたでしょうか。
あんなに存在感があるのに簡単には鳴らせないとなると少し残念な気もしますが、それだけ大事な装置であるということの現れでもあります。
頻繁に鳴らしてしまうと違反になることはもとより、騒音公害にもなりますし、本当に危険な時とそうでない時の区別もつかなくなってしまいます。
また、むやみにクラクションを鳴らすことは口論やあおり運転などのトラブルの原因になりますし、過去には殺人事件に発展した事例もあります。
クラクションは、「指定された場所」「危険回避の場合」のみ使うことができますので、正しい認識をもち、お互い気持ちのいい運転を心がけましょうね。